言うだけ言う「お気持ち」。

 

好きな人の口調って無意識のうちに移ってしまうよね、って話。イントネーションとか語尾とか、口癖とか。口が悪いとか言われがちでも好意が勝ってしまうときもあって、自分自身驚いたりもするけども。とかなんとかって別に先月やらに限ったことではなくて、日常的にそうなりやすい性質、影響を受けやすいタイプではある気がする。

自分の性格はそれなりに熱しやすく冷めやすい方だから好きになると速やかにのめり込むけども、あまり持続はしない。だから継続の重要性は見極めながら、将来に通じるものは手放さないように必死になろうとするのだけども。そう考えると、一度は手にしたけど、その後置き去りにしたもの、見向きもしなくなったもの、そういった砂漠的遺物や腐朽した価値観って人生此の方多くない?って思うのです。

過去を振り返るにつけ、あの時ああだったこうだったが今はすでに存在しないという現実が、わりに気持ちを貧しくさせちゃって、どうしても味気なくなって、「お前はもう」って無聊を託つこともある。中には今も残っているものもあるのだけど、今後どうなるのかなんて自分次第だし、あらゆるタイミングを迎えるたび、取捨選択を否応なしに迫られる場面にも出会すだろうし。そのときしっかり守りたいという我儘を貫けるかどうか心許ないのが、すごく嫌だな、最近。

それぐらいに、このごろは新しいもの、新しい波がざぶざぶと自分の生活に打ち寄せてきていて、それをあしらったり、受け入れたりするのでわりと毎日精一杯なのだ。なのだよ、ホント。

自分の好きだった感性とか、人に褒めてもらえた感性とかはまるごと愛おしいにも関わらず、この頃の自分は他人の影響を受けて、嫌な言い方すると浸食されてそれが別の色に上書きされてきているという実感は確かにある。それはもはや戻れないほどに深く上塗りされててね、数年前の自分になんてまるで歯が立たないなって思うこと、幾らでもある。その分今の自分は過去の自分にはなかったものを手にしているのも事実だけども、可愛い可愛いあの豊潤な感性は今や何処へ、で。

そう思えばこそ、自分の中で自信のあった創作物を残していたのはナイスプレイと言えるし、感謝もしてる。あのとき残しておいた方がいいと諭してくれたかつての有識者さまのお陰で、どうにか自分を見捨てずに済んでる部分もある。

兎にも角にも、近頃の自分は世間に同化しつつあって、適当な衣食住に落ち着いていて、平々凡々な人間に収束しつつあり、もどかしさに苛まれつつある。別に過去の自分が平々凡々じゃなかったなんて気取るつもりはないのだけど、今の自分があまりに凡庸すぎるのも目に余るんだけど??って話。

 

それはそれとか、それとして、言語感覚だけはちゃんと人生の相棒にし続けておくれ、頼むから。

 

そんな所でとりあえずタイムアウト