それは「最後まで何が起こるか分からない」コンテンツ。

 

野球そのもの面白いんだからゲームも面白いに決まっているでやんす!


と、パワプロ2022の栄冠ナインの実況動画を視聴しながら当たり前のことを思った。丸眼鏡がトレードマークの矢部くんならそう言うだろう。

という書き出しで始まる今年の日本プロ野球は例年になく面白い。チームの贔屓目なしにセ・パリーグ全体として今年は飽きないシーズンになりそうな予感がある。

 

直近だと、千葉ロッテマリーンズ佐々木朗希選手の28年ぶりの完全試合が大きく取り上げられた。さらに試合内容としてもNPBタイ記録の19奪三振NPB記録の13者連続奪三振NPB史上最年少記録(20歳5か月)、プロ初完投・初完封が完全試合(史上初)あれこれを一度の試合のうちに達成してしまうなど、投手が掲げるアチーブメントとしてこれ以上のものはない。

何より、彼を見ていて感じることは今後もそれ以上の成績を残してくれそうな予感がひしひしと伝わってくること。メジャーに挑戦した年の大谷選手を彷彿とさせる。

従来、佐々木選手のポテンシャルは高卒選手として抜群だったが、身体が出来上がっていないという理由で大事に育成するというチームの方針により、実質先発ピッチャーとして堂々ベールを脱いだのは今年からだ。

その結果が初完投・完全試合

彼の育成方針にケチをつけていたアンチをものの見事に黙らせた千葉ロッテの首脳陣らは歯茎の一つや二つも出るだろう。ところが次の登板では2試合連続完全試合という大偉業の目前で降板。井口監督の英断は個人的には間違ってはいなかったと思う。もちろん、唯一無二の記録を達成してほしいという野球ファンとしての願いもゼロではなかったが、チームの勝利にこだわった井口監督の采配もまた評価されるべきだ。

彼の完全試合において、もう一つトピックされたのが佐々木投手の平均時速160km/時を超える豪速球(今だと160を出すピッチャーに対してあまり違和感を感じなくなった。昔よりも現在のピッチャーの平均急速は確実に速くなっている)を受け続けた松川選手。高卒ルーキーで開幕スタメンを勝ち取った正捕手だ。この肩書きだけでも相当なもの。佐々木投手の好投は松川選手あってこそ。


優勝チームに名捕手ありと故・野村克也さんも言うように、近年はピッチャーと合わせてキャッチャーにもスポットが当たる機会が増えてきたことを如実に感じる。ソフトバンクだと千賀と甲斐バッテリーやジャイアンツなら菅野・小林バッテリーとか。少し前、自分が子どもの頃ならジャイアンツの阿部とか中日の谷繫、スワローズの古田とか、その辺り。今の松川くんはそれに通ずる名捕手としての素質を随所に感じる。

このごろもあった。佐々木くんが登板の試合であることがきっかけで球審が佐々木くんに詰め寄ろうとした場面。真っ先に投手を球審から庇う徒手を見せたのは松川選手だった。毅然とし、どっしりとしており、物怖じしない。ルーキー選手として“人間が出来すぎている”印象的なシーンだった。


といった感じで、ペナントレースの4月は千葉ロッテマリーンズがひと際よく目立ち、まさしく社会が見つめる野球界の様相もそこにあった。すなわち選手のプレー以外の立ち振る舞いにも陰影を付けようとしている節が確実にあるということ。

逆に、それを逆手に取ろうとしているのが今年から日本ハムファイターズの新監督として色々な試みに果敢に挑戦する新庄監督ことビッグボス。若い世代を積極的に使いし、開幕投手としては前年のドラ6の北山投手を登板させるという異例の起用法にメディアも注目した。

今のところ、チームの勝利に結びつかない試合も多いが選手たちの奮闘中の姿は見ていて面白い。個人的な注目選手は横浜高校出身の万波選手。コンゴ出身の父と日本人の母を持つハーフのこの青年は身体能力を活かした躍動感を感じさせるプレーが魅力的だ。パンチ力もあるし、積極的。若い選手らしい荒々しさと貪欲さというパッションが光るのは見ていて気持ちがいい。

 

一方、「光」とは対称的だったのが阪神タイガース。GWを前に10以上の借金生活。チーム全体には重苦しい空気が漂う。トリプルプレーを食らってしまったり、サヨナラ負けを立て続けにしたり、とことんツキがなく、気の毒だった。

しかしこれは別に野球だけでなく、誰しも起こることだけど、何をやってもうまくいかないタイミングというものは必ずある。それはチーム状態が弱い云々というより、ほんとうに気まぐれのようにやってくるもので、自分はそうだと信じたい。

戦力的に決して弱いチームではないし、昨年度はリーグ優勝も争った。矢野監督だってもう4年目ぐらいのシーズン、全日程を見据えてじっくり長く戦っていただきたい。今は泥臭くても、それを応援するファンは変わらないのだから。

とか言っていたら4月終盤は破竹の5連勝。いまだ借金生活だが光明は見えている。

また楽天イーグルスが非常に安定して勝率が高い。12球団内、エラー数は最小。ファイターズから移籍した西川選手の起用がチームにいい影響を与えている。先発の布陣が盤石であり、ゲームを作れる田中投手や岸投手、則本投手、涌井投手がいるのが大きい。次点でソフトバンクが続く。

 

現時点、順位表だけを見れば上位と下位ははっきり明暗が別れてしまっているけれど、5月以降、暑いシーズンに突入すればおのずとそれぞれのチームにも変化は出てくるだろう。

流動的で立体的な野球。

5月が終わる今頃にはまったく新しい光がぽつぽつと生まれるかもしれない。応援するチームの勝利も見たい。が、今の気分としては各球団を成長するコンテンツとしてもっとじんわり楽しみたいという気持ちが強くなっていますね。

 

そんな感じで5月に入ります。気温も上がり、もうシャツ一枚で過ごせる季節になってきました。

寒い時期、活動意欲が小さかったので、少しづつ調子を取り戻して行きたい所存であります。