それは「仲間」というコンテンツ。

ワンピースを読んでいると『仲間』というキーワードが物語の構造において重要な役目を果たしていることが頻繫にある。

一言、仲間と言っても文字通りの関係性に至る過程はキャラクターごとに異なっている。その過程こそがキャラクターにとっては何物にも代えがたいかけがえのない宝物であり、互いにそれを大事にしている場面もよく見られる。

翻って自分という人生における主人公を客観的な視点から見たとき、物語における『仲間』という存在はやはり『友達』あるいは『親友』と表現することが妥当と思える。

少なくとも現在の自分にとっては生活の軸である仕事にかかわる人、あるいは身近な家族は上のような表現は似つかわしく、かと言って友達を『仲間』と呼ぶにはそれはそれで面映ゆく、結果としては友達は友達だけど仲間だとは思っていないというところが主観的かつリアルな定義な気がする。

友達に恵まれた、そう断言できるほどに彼らと過ごした濃密な時間を思い出すことができる。4人いる。みんな中学校以来の友達だ。地元は中高一貫進学校。中学に進学してからは毎日のように過ごした。大学・進学先・就職先は異なれど、今でも適当に会えるほどには気の置けない間柄である。

実に数えで16年超、今なお関係性が続いていることはお互いの生活の賜物。もちろん、個々人の浮き沈みであったり、軽微な不和や音信不通の時代はあったにしても、互いが互いのことを根幹のよすがにしていることは間違いない。尊敬も共感も苛立ちも価値観もおおむね多くの感覚を共有している感があり、いつ何時会っても、昨日のことから地続きのように話をすることができる相手だ。

それが4人もいる。かつての出会いから現在まで連綿と続くこの関係性を構築してきた自分は褒めていいし、これからもたゆまずに継続していきたい。お前にはもうそれぐらいしか残すことはできないだろうから。

9月の連休、ちょうど台風14号が日本に接近したタイミング、彼らと旅行をした。各地のコロナの先行きは見えないながらも対策をしっかりした状態で敢行した。観光を。

みな社会人となり、昔ほど全員で集まる機会も少なくなってきた中(コロナも重なり)、久しぶりに会う顔もあった。スマホや電話を介して互いを感じることはできても、直接顔を突き合わせて旅行に行くようなことは5年ぶりくらい。

出張や帰省とかで2人だけ、3人だけで会うことはあったけど全員そろったことは珍しい。だから予定もちゃんと立ててみんなが楽しめるようにしたし、プレゼントも渡した。もう30歳近いお兄さんたちだ。年齢とともに社会人らしい振る舞いはしつつも、車の中や旅館先では当時の中学生のころとノリがまったく変わらない。

あらゆることが自分の浅いツボを刺激するみたいなそんな幸せな時間だった。旅行が終わり、一人で家に帰ったあともずっと楽しかった、という印象だけが寝るまであった。それからまだ3週間程度しか経過していないのにすでに恋しい。メンヘラちゃんゆえ、友達への愛情をだいぶ拗らせている。

次会える日なんていつでも決められるのに、次を確約できる自信がなくてプレゼントも高額なものにしてしまった。もしもあんたらが困ったときは仕事を投げうってでも駆けつける自信があるし(いいこと)、経済的な支援だって手加減しないぐらいには貯蓄があるし(いいこと)、するつもりでいる。

そういう気概もあってか、やはり友達を仲間と呼ぶにはあまりにおこがましく、献身的にサポートしたり後押しをするような厚かましい遠距離支援型のキャラクターとして貢献していきたい。

遠距離といえば、いや遠距離で思い出すことでもないけれど、任天堂スイッチのソフト『スプラトゥーン3』を購入して、ときどきプレイしている。独特のジャイロ操作でのプレイは久しぶりで、最初のころ戸惑いながらプレイしていたのを思い出す。

あぐらをかいて太ももでコントローラーを操作するのだけど、これ、はために見るとかなり猫背になっている。健康面からするとお世辞にも良い体勢ではなく、まして長時間プレイすると色々な部位が凝ってしまう。とは言え総合的に優れているゲームのため、延々やってしまう罠。

これは今作にも当てはまることで、任天堂らしい配慮が随所にみられる。たとえばチーム戦あるいは競技性をともなうルールであっても、勝利リザルトと敗北リザルトが同じような演出になっている。負けても悔しい気分になるのを緩和するためだとか聞いたことがある。

また試合ごとに『表彰』をしてもらえるのは気分がいい。バトルNO.1とか味方アシストNO.1とか塗り面積NO.1とか勝ちもただの勝ちではなく、負けも負けではなく、試合の中身について成分を分析してくれる。ゲームの認知度や操作性から年代問わず幅広い人たちがプレイするゲームなのを見越してプレイヤーをかなりフラットな土台に立たせてくれている印象を受ける。

さらに一人用のストーリーモードやカードバトルを充実させるなど単純なシューティングゲームに留まらせない工夫、あくまで楽しいパーティーゲームとしてのコンセプトがはっきりしているのが好感が持てた。や、でなんだっけ、遠距離がどうの。

リッターちくしょう、このやろー、遠くからちくちく狙いやがってくそー、やめろー。個人的にはローラーも嫌いです。やめろー、轢くなー、振るなー、近づくなーって感じ。それもまあ仕方がない。楽しく遊べるように強くなるぞ。今回はそんなところです。