言うだけ言う「音ゲー」。

 

器用貧乏という言葉は自分にとってわりとしっくり来る表現だった。

子どものころからあらゆる面で中の上くらいの成果を出し続けてきたので、苦手な分野というものは正直パッと思い浮かばない。勉学にしろ、運動にしろ、交流にしろ、創作にしろ、芸術にしろ、人並み以上が当たり前であり、その中で突出して伸びたものがわずかにあるといった感じだった。

思うに、何事に関してもそのものの本質だとかコツを掴むのに苦労をしないタイプなのだ。だから「ちょっといい感じ」なものに辿り着くことに時間がかからないので、自然と評価をされやすいという自負はある。

しかしながら評価をされることにかつてほどの心地よさを覚えなくなってしまった現在、誰にも知られないところで黙々と上達できる分野がないかと模索をしていた。要するに、自己満足をより探求する道はないかと。

それが明確なきっかけになったわけではないけれど、スマホ音ゲーを始めてみた。

「プロジェクトセカイ カラフルステージfeat.初音ミク

始めるタイミングがリリースから一周年を迎える節目で、色々無償の特典を多く与えられたこともありモチベーションとしてもちょうど良かった。

自身、ゲームはどんなジャンルも一通り触れてきたけれど音ゲーに関しては記憶の限りで太鼓の達人くらいしかまともにプレイしたことはなかった。そのときも鬼レベルをある程度のできた段階で勝手に熱が冷めてしまったので正味奥深いところの面白さや醍醐味に接することができたかというと疑問符が浮かぶ。

だから今回、新たに音ゲーを始める際、いわゆるフルコンボ(ミスなしでクリアする)を自分の中でできたことの指標にしてみようと思った。

 

プロジェクトセカイ(通称:プロセカ)ではリズムに合わせて上からノーツが落ちてきて、それを叩いたり、長押ししたりするのだけど、基本的に4種類しかない。タップ、スライド、フリック、クリティカル。その種類に応じて指を動かすだけなので直感的に分かりやすい。

そして楽曲ごとにEASY、NORMAL、HARD、EXPERT、MASTERと5段階の難易度に分かれている。一般的な難易度というものを一概に決めることは難しいけれど、自分の中ではHARD~EXPERTくらいであればプレイしていけばいずれフルコンボができる、という物差しを得ることができた。MASTER以上はまた別腹として。自分自身、そこまで音ゲーに通暁した人間じゃないからどの楽曲、どのノーツパターンも初見のようなものなので、なるべく時間があればプレイするようにした。

で、ちょうど初めてから一か月程度が経過したので、今後のためにも現状をしっかり把握することにした。

使用端末:iPhone12Pro Max

ランク:59

クリア曲数(HARD以上):HARD 99曲、EXPERT 95曲、MASTER 7曲

フルコンボ曲数(HARD以上):HARD 91曲、EXPERT 52曲、MASTER 0曲

みんなでライブMVP数:4回

一通りぱっと確認できるのがこのあたり。他人と比べることはできないのでよくわからないけれど、一か月やったわりには悪くはないと思う。

とにかく最近苦戦しているのがEXPERTのレベル25以上で、フルコンボをするためにはそれなりにいやらしいノーツの配置が散見され、ミスをしやすい。単純なクリアだけならなんてことのない楽曲であってもフルコンボを目標に設定した場合、難易度ががらりと変わるというのが率直な印象だった。

具体的に詳しい用語を扱って、ここが難しい、ここでいつもミスするというものを書けるといいのだけどまだあまりわかっていない。だけどこのゲーム、わりと判定が厳しめの部類の音ゲーであるということがわかってきた。とくにフリックにおいては、単発のフリックとスライドから継続するフリックがあるが、両者では微妙にタイミングが異なる。というのが自分の見つけた気づきで、実際調べてみるとどうやらそうらしい。とか、タップの判定があるレンジから指が少し離れているだけでもGREATになってしまったりとか、フリックの方向だとか、結局基本に忠実なゲームであるということは自分の中ですでに納得している部分。

要するに誤魔化しがあまり通用しないということ。だからこそ、フルコンボをするために何度も繰り返しやらないとゴールに辿りつけないのだと痛感している。その一方で、すればするほど精度が上がったりミスが減るのも事実。そこに成長を感じることもできるので、当初の目的であった「誰にも知られないところで黙々と上達する」という命題はしっかり満たすことができていると感じる。単純にクリアだけで満足しないでフルコンボを目指しているというのは自分にとって良いハードルだなと思って、頑張っているところ。

けどまあプロセカやっていて普通に楽しめているからまずはそこが何より。

基本的に収録されている楽曲は温故知新のボカロ曲がほとんどなので、結構知らなかったけど聞いてから好きになった曲もわりと多くあった。そういうところに触れることができたことも個人的に大きくプラスだった気がする。キャラクターなんかには全然思い入れとか感情移入とか、そういう観点は眼中にないのでとりあえず第一印象で可愛いかった宵崎奏ちゃんをずっとリーダー枠固定で使っている。なんかいつの間にかキャラクターレベルが15くらいになっていて奏ファン星三つの称号になっていた。もちろん使っているうちに愛着が湧いてくるのでカトラリーと群青讃歌は奏をアナザーボーカルに設定しているな、とふと気づいた。

わりと好きなのかもしれない。好きでいいのかもしれない。

とかなんとか書いてみたけど、大事なのは今後。よりEXPERTの楽曲のフルコンボを増やしていきたい。当然フルコンボをしたい楽曲はそれなりの難易度になるのでそう易々と数が増えるわけではないだろうけど、当方も研鑽を積んでいく所存。負けないぞ、ってことで、また次のときの成果を楽しみにライブを頑張ります。


蛇足。「トンデモワンダーズ」と「お気に召すまま(Vo.神代類)」、「Beat Eater」はお勧め。他にももっとあるけど。あとミュージックカード全然足りないです。