言うだけ言う「音ゲー」。

器用貧乏という言葉は自分にとってわりとしっくり来る表現だった。 子どものころからあらゆる面で中の上くらいの成果を出し続けてきたので、苦手な分野というものは正直パッと思い浮かばない。勉学にしろ、運動にしろ、交流にしろ、創作にしろ、芸術にしろ、…

言うだけ言う「忠告」。

二回目は気をつけて。二回目の方が断然きつい。二回目は覚悟したほうがいい。 って、当日まで耳に胼胝ができるくらい言われていたその正体は新型コロナウイルスのワクチン接種だった。 先月のお盆期間中に一度ワクチンを接種して、その際は注射した患部がや…

言うだけ言う「残暑見舞い」。

日がな一日耳鳴りをしそうなくらい騒がしかった蝉鳴も、気づいてみると大人しくなってきた。残暑は当分の間続きそうではあるけれど、あっという間にひんやりする秋が訪れそうな気配を感じている。 8月は結局のところ、自国開催となった東京オリンピックの話…

言うだけ言う「報告」。

鹿児島新港より乗船すること12時間。 朝五時に到着した奄美大島の港は薄暗さを湛え、温暖な環境に特有の皮膚に張り付くような湿気に満ちていた。朝日が昇るにつれ、島の要衝である名瀬港周辺の街並みにもぼんやり人の気配が漂ってきた。本島は佐渡島に次ぐ日…

言うだけ言う「忙しいふり」。

年に数回、どうしても忙しい時期というものがあって、特にこの6月は「あくせく」という言葉がぴったり似合うほどアクセル全開で毎日を過ごしていた。毎晩、次の日の用務や予定を反芻・吟味しながら眠りにつき、起きたら悠長に考える余裕もなく、波に抗い、波…

言うだけ言う「完璧主義者」。

完璧主義者と謳う彼は、集合のときは必ず1時間前に来る。相容れない僕は集合時間ぴったりに行くので、毎回彼に呆れられる。 「どうせ早く来てもすることないでしょ」 「いや、忘れ物がないかとか色々確認しないといけないんで」 完璧主義者って難しい、と個…

言うだけ言う「残滓」。

大学生のとき、研究室は大学のキャンパスとは離れたところにあった。そこに通うためには電車に乗り、その後フェリーに乗り、そこから原付で走るからだいたい1時間半の通学がデフォルトだった。今の通勤時間が約1/3程度なので、当時はよく苦労をされていたよ…

言うだけ言う「願い」。

春風が花びらを巻き上げる桜並木は新たな始まりを予感させてくれる。 三月、四月は出会いと別れの渦巻く季節ですね。 自分自身に異動の話はなかったけれど近しい人が遠く離れてしまうことがあった。その人を見送り、そして新しい人を受け入れる。まるで定点…

言うだけ言う「振り返り」。

なんとは言わんけどお祭りが終わってしまって、ちょっぴり切ない気分だ、今は。 2月は早かった。3月なんてまだまだ先だとか悠長にしている間にすぐやってきおった。2月が雑魚すぎて自分でも何をしていたか、何に努めていたかてんで思い出せやしない。成長も…

言うだけ言う「お気持ち」。

好きな人の口調って無意識のうちに移ってしまうよね、って話。イントネーションとか語尾とか、口癖とか。口が悪いとか言われがちでも好意が勝ってしまうときもあって、自分自身驚いたりもするけども。とかなんとかって別に先月やらに限ったことではなくて、…

言うだけ言う「抱負」。

今年取り上げた内容が軒並みインドア派だったこともあり、自粛期間による行動の制限が如実に表れた年だったように思う。 日々報告される感染者数であったり、医療崩壊を示唆するニュースであったりが自分たちの生活を脅かしているけれど、意外というか、なん…

ここもきっと「仮想」。

自粛期間が長らく続いたこともあって、今年はYouTubeを見る時間が大きく増えた年だった。 とりわけグラフィックモデルを用いて配信を行うVtuberの沼にだいぶどっぷり浸かってしまった。一年前じゃとても考えられなかったことだ。 一体なにがそこまで自分を虜…

ここもきっと「オープン」。

むしょうに湧いてきたゲームしたい気持ちは『ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド』にぶつけることにした。ソフトの発売は約3年前なので旬を過ぎていると言えばそうなのだけど、ずっと気になったままプレイができていなかった。ともあれゲームの評価が高いこと…

ここもきっと「思い返す」。

2020/9/29に公開されたポケモンのMVを毎日のように見ている。 ポケモンシリーズをひとつにまとめたアニメーションを背景にBUMP OF CHICKENの音楽が流れる。 3分程度の枠に納められた視覚情報の数々は自分にとってあまりに感傷的だった。切なく、美しく、一言…

ここもきっと「軌道上」。

「ほぼ1時間ちょうど山手線を一周する」という話は噂で聞いていた。 大学生のとき、新宿駅で乗車して実際にどのくらいかかるか計測してみた。確か61分だった。乗る人降りる人が大勢いる中、扉の隣の席から動かない人が一人、狭い空間は社会の縮図で、姿見み…

ここもきっと「腹の底」。

話すトピックがない。 というよりは、数ヶ月ぶりに訪れた気持ちの塞ぎ込みに溺れて思うように動かないというのが本音。 塞ぎ込んでしまうと無気力になる。 通常の生活すら前向きになれず、メロウな音楽を朝流すだけのような、そういう気分がずっと続いている…

ここもきっと「待ちわびて」。

本格的な梅雨ですね。 ようやっとコロナウイルスの感染拡大が落ち着き、人々の日常も通常へとシフトしつつある。 もちろん密を避ける行動は推奨されているものの、公共施設であったり、大衆施設も営業を再開し始めたこともあり、この数ヶ月感じていた窮屈感…

ここもきっと「備忘録」。

長編を書いている。この五月。 ゴールデンウイークの初め、全国に非常事態宣言の通達があり自粛要請・越県の制限などによって人々の生活スタイルは大きく変化した。 これを機会に、と思って長編を書きだすことになったわけだけど、自分が長編を書くときは完…

ここもきっと「希望」。

『ライ麦畑でつかまえて』を最初に読んだのは大学生のときで、主人公ホールデン・コールフィールドによる口語的な口調と、彼の世の中に対する苛立ちや苦悩が自分にフィットした結果、読後、ずいぶん長いこと自分の作品に影響を与えた一冊として胸に残り続け…

ここもきっと「つながり」。

今月の20日は春分の日で、例年よりわずかに早く桜の開花が告げられた。 その日、ツイッターで大きなムーブメントとなった「100日後に死ぬワニ」は無事に完結を迎えた。いいねの数はおよそ220万で、かつてそんな数字にはお目にかかったことがない。それだけあ…

#noveでお題 感想戦

白木蓮が咲き始めると、もう春だ、って思う。今年は例年に比して暖冬傾向で、確かに心が冷え切るような状態にはならなかった。おかげでクジラ空挺もそれなりの気圧を維持しながら完走飛行できたのかなと振り返る。 寒いとね、どうしても寂しいテイストになり…

ここもきっと「高台」。

1ヶ月が経つのが早い。おそろし。 さて。 高いところはお好きですか? 自分は好きです。 進んで高いところに行きたがるし、登りたがるし、高いところから地面を見下ろしてドキドキするのが好きです。 展望台とかたまらないよね。灯台から海を見下ろすとかさ…

ここもきっと「節目」。

なんだかんだと言われたら、今年で物書きを始めて10年が経過する。物書き自体が生活の一部と化していたから大きな実感はないけれど、費やしてきた時間だけをみると数千時間に及ぶし、文字数だけなら100万字近く紡いできた自負はある。 きっかけは高校時代、…

ここもきっと「始まり」。

あけましておめでとうございます。 今年が去年よりも良い年になりますように。 いいことばかりではないだろうけど、悪いことばかりでもないはずだろう。 去年よりも求められることは多くなるだろうけど、一つ一つこなしていけばその分成長できるはず。 それ…

ここが「分水嶺」ではないけれど。

利き〇〇というものがある。利き手であれば、右利きと左利き。利き足にも右と左。まれに両利きも存在する。 しかしこれは、右利きだからと言って左がまったく使えないとかそういうことではなく、『使いやすいほう、しっくりくるほう』という観念で捉えられて…

ここが「王道」ではないけれど。

10月のトピックといえば、やはり日本初開催となったラグビーW杯。 スポーツの話題で世間が盛り上がり、歓喜に沸いたのは久しい気がしないでもない。 とりわけ日本ではマイナースポーツと言われるラグビーで国民が熱狂し、認知度が高まり、ファンも増えたとい…

ここが「良し悪し」ではないけれど。

良い月か悪い月かだけで言えば、9月は良い月だった。かねて念願だった西表島に行くことができたし、年に一度の健康診断の結果も相も変わらず正常だった。 人と会話をすることは少ないけれど、中学生の知己と大事な約束を交わしたりした。 そんなふうにしてあ…

ここが「始まり」ではないけれど。

ふと思い立ったのが、一昨日くらいで。 ちょうど月替わりだったこともあり、自分の冴えない性格を鑑みると月一の投稿ペースがちょうど良いだろうということで、今回は9月号扱いにして投稿してみる。 この半年程度、これまで素直に生きる糧としていた物書きと…